パチ屋でバイトリーダーやってた時の思い出【第10話】
世代交代
てことで遅番トレーナーをやめることとなった大久保さん。
そのことを朝礼時に伝え終えると、次にトレーナーを誰にするかの発表があった。




福ちゃんが何故自分がトレーナーに選ばれるかもって思ったのか聞こうか一瞬迷ったが、面倒だったのでやめた。
まぁ妥当に行けば大久保さんの側近だったあの2人のどっちかだろうな。




まぁそりゃそうなるわな。
今の遅番をまとめられるのは小田くんしかいないよな。
てことで次期遅番トレーナーは小田くんに決まった。キレたらヤバい点以外は申し分ない能力値なので、至極妥当な選択だと言えよう。







多分小田くんはウケ狙いで言ったんだろうけど、それを聞いて笑っている人は一人もいなかった。
ああ、小田くんの彼女の荻野さんは笑ってたかw 小田くんのブッ込みはそれくらい笑えないものなのだ。
ふと福ちゃんの方を見てみると、ちょっと足がガクガクしていた。なんてわかりやすい男なんだ。
俺をキレさせたら大したもんだよ
てことで遅番の小田トレーナー体制が始まった。
大久保さんも怒る時はしっかり怒るタイプだったけど、頭の中は常に冷静なのでしっかりアフターフォローまでやっていた。
小田くんはそういうの絶対できないタイプだと思うけど大丈夫かな…。
いや、でも言うじゃないですか。立場が人を成長させると。
小田くんはトレーナーになったことをきっかけに成長するかもしれない。俺は小田くんの進化を信じるぜ!!








確かにトレーナーという立場は小田くんの成長を助長していた。
小田くんはトレーナーになり、飛躍的に
暴君への道
をまい進していた。
だめだ小田くん!そっちに行っちゃいけない!

小田くんの彼女の荻野さんだけは毎日このシチュエーションを見て爆笑していた。
いや、当事者の俺らはマジで笑えねぇよ!人の皮をかぶった悪魔め!
小田くんがトレーナーになり、毎日ホールのインカム・バックヤードでは怒号が飛び交うようになった。
僕と福ちゃんは小田体制の主軸スタッフだったので、毎日小田くんからの愛の鞭(愛無し)を受けていた。
僕は福ちゃんと毎日のように仕事終わりの居酒屋で朝まで一緒に飲むようになった。
そうでもしなきゃやってられないくらいの追い込まれっぷりであった。
おそらく僕も福ちゃんもゴリゴリのM気質だったのもいけなかったのであろう。小田くんドSだし(白目)
そして時は動き出す(2か月ぶり2回目)
小田くんがトレーナーになって2か月。
小田くんからの愛の鞭(暴力)にも慣れてきたある日の出来事であった。





