パチ屋でバイトリーダーやってた時の思い出【第13話】
生まれて初めての合コン
ということで、僕はトッチさんに誘われて生まれて初めての合コンに参加することとなった。
勘違いしないでいただきたいのだが、ただ合コンに参加したことがないと言うだけで僕が童〇だという訳では決してない。
お、俺は童〇ちゃうぞ!ネット麻雀で知り合ったお嬢と既に経験済みなんだからな!!!
とは言うものの、パチ屋でバイトをし始めた当時の僕は今思うとまさに黒歴史レベルの落ちぶれっぷりであった。
そのためあんな女の子だらけ+男女関係ワッショイワッショイな職場なのに、僕に彼女が出来そうな雰囲気は皆無であった。
このチャンス…
絶対に逃すわけにはいかない!
いざ迎えた合コン当日。
今日はトッチさんが車(アルファード)で参加メンバー全員を迎えに来てくれるらしい。




ふむ、今日参戦予定の福ちゃんとアッキーは既に乗り込んでおったか。
今日はトッチさんの車ということは、トッチさんは飲まずに僕らの足になってくれるって事か。
トッチさん、俺たちのためにそこまで…!







なんでって、なんだ?(錯乱)
トッチさんは海外の方なのか?い、いや、そうだよな…。トッチさんもお酒飲みたいもんな。そりゃそうだ。
みんなでワイワイ盛り上がれば、細かいことはいいじゃない。
たかが免許証一つ、教習所で取り直してやる!!
陰キャ特有の発作
トッチさんが運転するアルファードは合コン会場に到着した。
話によると今回の合コンは4×4。全員同じ介護福祉施設で働く女の子らしい。
トッチさんには彼女がいるのでに今日は完全にガヤ担当に回るらしいので、実質参加人数は男3女4だ。
まさに大チャンスである。矢木に電流走る。









満場一致でリエちゃんが大本命となった。
いや、2人に聞いた訳じゃないですよ?ただもうあれはあの場の雰囲気でわかる。どう考えてもリエちゃん一択なのだ。次点で助六か。
トッチさんが盛り上げ役に徹してくれたおかげで、合コンは大いに盛り上がった!
僕はチー牛体質なので女性と話すのは基本的には苦手なのだが、誰かが場を作ってくれてる上にお酒さえ入ってしまえばこっちのもんだ。
偉大なる酒の力のおかげで僕は普段通りに女子と話をすることができ、リエちゃんやヒロコちゃんとの話は弾みに弾んだ。



先ほども言ったが、僕は完全にリエちゃん一択である。
それくらい僕にとってリエちゃんはドストライクの女性であった。
見た目も性格もほぼ100点満点。リエちゃん以外選択の余地はなかった。
が、その時悲劇は起きてしまった。



なぜ松本氏が正直にリエちゃんと言えなかったのか、お分かりだろうか?
アッキーや福ちゃんと狙い台(?)が被るのが申し訳ないと思ったから?2人に良い恰好したかったから?
答えはNOだ。
僕と同じく陰キャ気質の人ならわかると思うが、僕みたいな人間は
ガチでドストライクの人を目の前にすると、恥ずかしくてその人がタイプだと言えなくなる
からだ。
よって松本氏はアッキーにど本命なのがリエちゃんだと言えず、ヒロコちゃん(助六)を本命だと言ってしまうのだった。
こんなの絶対おかしいよ…。




何故かはよくわからないが、この時僕は
取り返しのつかないこと
をしてしまったような気がしてならなかった。
恋も喧嘩も命賭けでなければ燃えぬものよ
合コンは大いに盛り上がり、参加メンバーはみなベロベロになっていた。
気付いたら時刻はもう0時を過ぎていた。三重県に0時以降に走る電車なんてある訳がない。

てことで大いに盛り上がった合コンは終了した。
トッチさんの車に乗り込む合コンメンバー。車内はまさにすし詰め状態だった。
ただ半分は女の子だったので、車内はいい匂いが充満していた。こんなすし詰めなら僕は喜んで寿司になろう。もうこれで終わっていい…!
トッチさんの車はおもむろに近鉄四〇市駅前に止まった。
え、なんかやるの?トイレか?




とりあえずトッチさんに言われるがまま、トッチさんの車を降りる僕とヒロコちゃん。



バタン!!ブゥーーン・・・。
トッチさんの車は、僕とヒロコちゃんを駅前に置いて走り去ってしまった。
もちろん終電なんてもうない。
真っ暗な夜の近鉄〇日市駅に、ベロベロに酔った若い男女2人だけが取り残された。


