パチ屋でバイトリーダーやってた時の思い出【最終話】
あたしって、ほんとバカ
気付いたら僕がパチ屋でバイトを始めてから約3年が経過していた。僕は25歳になっていた。
中学校くらいから付き合いのある幼馴染たちはどんどん結婚していき、みな仕事も順風満帆に見えた。
一方僕はスタッフリーダーをやっているとは言え、所詮はアルバイト。昇給なんかほぼ無いに等しいし、ボーナスなんてもちろんない。ていうかそもそも時給である。
正直僕は焦っていた。まわりの同級生と明確に離れていく目に見えない距離。




僕はCR北斗の拳百裂を打ちながら、自分を本気で変える決心をした。
そう、俺は生まれ変わるんだ。
俺の本気を見せてやる…
明日から!!!
しかしパチンコの神様というのはいたずらで、そうやって本気の決意(白文字)をした時に限って何か知らんけどパチンコで爆勝ちしてしまうのだ。
いつもサウザーとシンにジャンプされて終わりのケンシロウがこの日に限ってはやる気満々で、ジャギやユダなどの明らかな格下をボコり続けていた。
そんなこんなで空気の読めないケンシロウから9万円もの大金をプレゼントされてしまった松本氏。



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目覚めの時
明日から本気を出すと意気込んでいた松本氏が翌朝向かおうとする先は、キング観光サウザンド生〇店であった。
やっぱ今の流れはパチンコ打つしかないやろ。ここでアドリブを効かせられないやつはダメだね。
イクキン(キング観光サウザンド生〇店)に車を走らようとする松本氏に、彼女のヒロコちゃんから電話が入った。











終わりの時は突如訪れた。
松本に電流走る。まさかアカギのあの名セリフを、現実世界で、しかも彼女からの別れの言葉として聞くことになろうとは。
いや、まぁそりゃそうでしょうね。こんなふがいない男、早く見切ったほうがいい。自分でもそう思う。
ちなみにヒロコちゃんは僕と別れた後すぐ付き合った人と結婚し、幸せな人生を手にしたようだ。アドリブ効いてんじゃん(白目)
まぁ確実に僕が悪いわな。だってヒロコちゃん、結婚したがってたもんな。
彼女からのアプローチに気付きながらものらりくらりと重大な決断を先延ばしにし続けてきた僕に、彼女を引き留める力なんてものはなかった。


僕はこの時、タ〇キをやめることを決心した。
仕事は楽しいし職場のみんなは大好きだ。だけど社員になるのは世間体が気になるから嫌だ。それならもうやめるしかない。
これを機にパチンコ業界から離れて、自分のやりたいことを探そう。この時僕は決心した。
タ〇キをやめることを決心した僕の心は晴れ渡っていた。僕は凛とした表情でキング観光サウザンド生〇店に車を走らせた。
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週末の貴公子
ということで担当の大久保さんに電話をすることにした。











お恥ずかしい話だが、僕はこの時ガチで泣いてしまった。
絶対怒られると思っていたから、まさか背中を押してくれるなんて夢にも思っていなかった。
やっぱ大久保さんには敵わんなぁ…。






し、週1・・・?
週1なら、まぁ…。いや、違う。そういう問題じゃないだろ。冷静になれ俺…!
おかしいな、僕さっきこの店をやめてパチンコ業界から離れるって言ったはずなんだけど…もしかして僕キングクリムゾンされてるんじゃあないのか?





ということで僕は、
平日は韓国企業の日本法人でのデスクワーク(派遣社員)、土曜日はタ〇キ
で働くダブルワークスタイルとなった。
おかしいな、なんか大久保さんのうまく転がされてるだけな気がするけど…まぁいっか!
そんなこんなで僕のタ〇キでのバイトリーダー生活は幕を下ろした。
その後、毎週土曜日のみ出勤する元バイトリーダーである僕は、職場内にて「週末の貴公子」と呼ばれるようになった。
ちなみに何が貴公子なのかはよくわかっていない。とりあえず貴公子って言いたかっただけなのだろう。

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